帰宅すると今年度後半分の「保育料決定通知書」が届いていました。
が、値上がりしている~!!!
0歳クラスの時は「産休の期間を含む所得」、1歳クラスの時は「時短期間を含む所得」をもとに計算されていた保育料ですが、今年になって「完全フルタイムに戻した所得」をもとに計算された結果…ぐぐっと値上がりしてしまいました。
正直、前回の0歳→1歳の値上げの時も負担が1.5倍くらいに増えたので、結構なショックでしたが、今回さらにまた1.5倍になっています…。所得が1.5倍になっているわけではない(多分)のですが。おかしいな…。
まぁ、元々保育にかかる費用というのは高額なのが当然。その多くは税金で賄われているので、今までの負担額が安すぎただけなのかもしれませんが、ますます気軽にハワイになんか行っている場合じゃない状況になってまいりました。頑張って働く&陸マイラー活動に励みたいと思います。
ところで保育料の計算方法ですが、結構誤解している人も多いようです。
保育園入園前にママ友と話していても、割と簡単に「負担が上限なの~。だから無認可に入れてもあんまり変わらないの~」という話を聞き、あれ…?と思ったんですよね。
(もしかしたらみんな本当に高収入&単にマウンティングされてただけなのかもしれませんが)
計算しようとしてみて「高い!」と勘違いした結果、これなら無認可でも負担は同じなのでは?と誤解すると、選択を誤りかねません。改めて認可保育園の保育料の計算方法について考えてみます。
- 板橋区の場合の認可保育園、保育料の計算方法
- 住民税=保育料決定基準額ではありません!
- 住民税には「市区町村分/都道府県分」「所得割/均等割」がある
- 30代平均年収夫婦の保育料負担額シミュレーション
- どのくらい年収があると保育料が上限に達するのか
- 東京23区:保育料の安い区はどこ?
- 東京近郊都市で保育料が安いのはどこ?
- まとめ
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板橋区の場合の認可保育園、保育料の計算方法
板橋区の公式サイトにはこのように記載されています。
毎月の保育料は、世帯の区民税の所得割額を基礎にして決定します。
~区民税の所得割額~
[1]サラリーマンなどお勤めの方
「給与所得等に係る特別区民税・都民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」にある特別区民税の税額控除前所得割額から調整控除額を引いた金額となります。
[2]自営業などの方
「特別区民税・都民税課税明細」にある特別区民税の算出税額から調整控除額を引いた金額となります。
※平成29年度の場合
ここで算出した「区民税の所得割額」が、AからD25までの階層のどこに当てはまるかで保育料が決定します。なお、これは認可保育園・保育標準時間での金額です。認証保育園だったり、保育短時間の場合はまた変わってくるのでご注意を。
板橋区の場合は、最高がD25階層で、3歳未満児の場合の月額保育料は71,300円となるわけです。
住民税=保育料決定基準額ではありません!
「私、住民税20万円以上払ってます!ということは、夫婦あわせて40万円だから…
保育料、6万3千円?!高い~!!」
…ちょっと待ってください!あなたの考えている住民税、本当に基準となる金額でしょうか。
ここを勘違いしている場合が多いんです。と、いうか私も最初勘違いしていました(笑)。だって住民税は住民税。自分で銀行振り込みをしていた時期もありますが、月いくら払っているか、くらいは考えるものの、明細なんてよく見ていません。細かいことはよくわかっていませんでした。
住民税には「市区町村分/都道府県分」「所得割/均等割」がある
住民税には「市区町村分/都道府県分」「所得割/均等割」があります。このうち、保育料算出の基準となるのは「市区町村分」の「所得割」額だけです。納めている”住民税”の全てではありません。
板橋区の場合なら「特別区民税の所得割額」の部分だけが基準となるんです。
30代平均年収夫婦の保育料負担額シミュレーション
転職サイトDODAによると、2016年度の30代平均年収は、男性501万円、女性390万円とのことです。ほんとかなぁ…とも思いつつ。でもDODAさんが言うのでとりあえず信じます。
そんな平均年収夫婦の場合で、保育料が一体いくらになるのかシミュレーションしてみましょう。
■夫
給与収入:5,010,000円
社会保険料:144,528円
住民税:301,500円
内、市区町村分の所得割額:177,900円
■妻
給与収入:3,900,000円
社会保険料:140,088円
住民税:213,300円
内、市区町村分の所得割額:125,000円
保育料算出の基準額は、177,900+125,000=302,900円となりますので、D16階層。保育料の利用者負担額は、3歳未満児で月額 45,500円となります。
最初に考えていた「住民税を20万以上払っているから保育料は6万3千円なんじゃない?」とくらべると、随分安い計算です。
今回のシミュレーションでは、社会保険料以外の控除を一切考えなかったのですが、実際には生命保険や学資保険、医療保険などの何らかの保険に入っている人が多いでしょうし、医療控除や住宅ローン減税などの適用を受けていれば、もっともっと区民税の支払い額は少ないはずです。このため同じ世帯年収だったとしても、実際の保育料はもっと少なくなっている場合が多いと思います。
このように、保育料決定の基準となるのが「区民税の所得割額」だということをちゃんとわかっていないと、全然違う金額を想像してしまいます。保育園の利用計画を立てる際にも、誤った計画をたててしまいかねないので、注意が必要です。
なお、今回のシミュレーションでは下記2サイトを参考に「社会保険料」「住民税」を計算しました。
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どのくらい年収があると保育料が上限に達するのか
板橋区の場合の上限はD25階層。保育料は3歳未満児で 71,300円となります。
ついでにこの階層になるには、どのくらいの年収が必要になるかシミュレーションしてみました。ただの興味本位です。
給与収入:17,500,000円
社会保険料:194,488円
住民税:1,470,000円
内、市区町村分の所得割額:879,000円
面倒なので、1人の収入で計算していますが、年収1,750万円くらいで上限になるようです。実際は任意保険の控除などもありますので、もう少し上になるとは思いますが。
平均年収のだいたい倍ですね。遠い世界だなぁ…。
東京23区:保育料の安い区はどこ?
保育料は各自治体ごとに定められているので、金額はバラバラです。
先ほどの平均年収世帯(区民税の所得割額が302,900円)の場合、居住区によってどのくらい変わるのか比べてみました。※平成29年度の場合です
第1子3歳未満児(月額)
江東区:50,700円(D18)
豊島区:47,300円(D18)
板橋区:45,500円(D16)
江戸川区:44,100円(D20)
世田谷区:43,800円(D13)
北区:40,000円(D19)
千代田区:40,000円(D17)
練馬区:39,300円(D15)
新宿区:37,200円(D15)
杉並区:35,700円(D14)
港区:32,200円(D15)
渋谷区:13,680円(D13)
ガーン。今回調べた範囲では板橋区、結構高い方です。「田舎」「庶民の街」というイメージだったので、なんとなく安い方だと思っていました…。並べてみても、特に住宅地だから安いとか都心だから安いとかの傾向はよくわかりません。
そして今保育園激戦区となっている「豊洲」のある江東区は最高値でした。保育園に入りくいわ、保育料が高いわなんて泣けますね…。板橋区も同じですが。
また、豊島区は保育園に今年は新規園も増えて大分入りやすくなり、好印象だったのですが、保育料は安くないようです。
そして逆の意味で驚きなのが渋谷区。延長保育料の間違いじゃない?!と思うくらい、安すぎです。どうやら区民税の所得割額が37万円くらいまでは他区と比べて破格に安い保育料になっているようです。
D18階層から突然2万円以上値上がりし、他の区と同じくらいの金額になるのが謎仕様。渋谷区では平均年収程度だと貧乏扱いなんでしょうか…。
ともかく、3歳未満児の保育料の安さだけで選ぶなら、渋谷区は狙い目ですね。
東京近郊都市で保育料が安いのはどこ?
東京23区外だと第2子の割引がなかったり、0歳と3歳で保育料が異なるなど、自治体によって微妙に線引きが違うので、第1子0歳児での比較にしてみました。
第1子0歳児(月額)
武蔵野市:56,000円(D17)
府中市:55,200円(D22)
横浜市:55,900円(D22)
川崎市:65,500円(C20)
さいたま市:55,000円(第9)
和光市:59,500円(D11)
千葉市:57,460円(D10)
浦安市:51,490円(D17)
全体的に高いです。さっきは板橋区高い~!と思いましたが、23区は保育料、安い方なんですね。文句言ってすみませんでした。
特に川崎市、なんでこんなに高いんでしょうか…。月額で2,3万円違ってくると、年間でもかなり大きいですよねぇ。「家賃が少し安いから~」という理由で居住地を選ぶことも多いと思いますが、いくら家賃が安くても保育料がここまで違うとかえって負担が増えかねません。
また、浦安市は23区と比べれば高いですが、D17階層は上限1歩手前。D18階層:月額52,000負担が上限となっています。23区の上限は大体月額7万円ちょっとなので、もっと年収の高い世帯にとっては23区より保育料が割安なんですね。さすが夢の国のお膝元。関係ないか。
まとめ
誤解も多い(と私は思う)保育料、正しい計算方法はわかっていただけましたか?
別に難しい計算はしなくても、区から送られてくる「給与所得等に係る特別区民税・都民税 当別町収税決定(変更)通知書」的な、長~い名前のついた書類にはきちんと「特別区民税・所得割額」が記載されているので、そこを見れば一目瞭然です。旦那の分も引っ張り出してきて、足し算してみましょう。
また、地域によって保育料の負担額が全く違うこともわかりました。今回は3歳未満児の保育料だけで比較してみましたが、3歳以上児が安い、第2子から安い、など地域によってはちょっとずつ特色があると思います。特に「保活のために引っ越しするぞ!」なんて考えている人は、保育園の入りやすさだけではなく、候補地域での自分の階層や保育料負担額の方にも目を向けて、検討してみてはいかがでしょうか。
まずは入れるところ、できれば保育料が安いところ。考えることが多くって保活ってホントに大変です…。